発達障害の子供向けアプリ 遊びながら声量コントロール、グーグルも注目

ノミネートされたアプリ「こえキャッチ」。声の大きさを駆使して果物をキャッチする(LITALICO提供)
ノミネートされたアプリ「こえキャッチ」。声の大きさを駆使して果物をキャッチする(LITALICO提供)

発達障害を中心に障害者の支援事業を展開する「LITALICO(リタリコ)」(東京)が開発したスマートフォン向けアプリ「こえキャッチ」が、全世界の優れたアプリを表彰するグーグルのコンテスト「2018 Google Play アワード」にノミネートされた。発達障害のある子供にとって難しい声の大きさのコントロール方法を遊びながら学べるアプリで、大賞は逃したものの、同社が開発した他の発達障害者向けアプリと合わせて100万ダウンロードを突破。世界の注目を集めている。

木の上から次々と落ちてくる果物。画面に向かって「あー」と声を出すと下から籠を持った動物が現れ、果物をキャッチする。小さい声なら左端にネズミ、大きい声なら右端にライオン、中ぐらいの声なら中央にネコ。「こえキャッチ」は声の大きさを使い分けながら、より多くの果物を集めるゲームだ。

他者とコミュニケーションをとるには、家の中や外出先など、周囲の環境に合わせて声の大きさを調整する必要がある。だが、発達障害のある子供は「声を出す筋肉をうまく使えなかったり、『もっと小さい声で』といった抽象的な説明が分からなかったりして、ボリュームをうまくコントロールできないことがある」と、専門医の永井利三郎(としさぶろう)・桃山学院教育大教授は話す。

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