関西の議論

認知症医療の第一人者が認知症に… 長谷川和夫医師「明るい気持ちで生きていく」

【関西の議論】認知症医療の第一人者が認知症に… 長谷川和夫医師「明るい気持ちで生きていく」
【関西の議論】認知症医療の第一人者が認知症に… 長谷川和夫医師「明るい気持ちで生きていく」
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 高齢化に伴い、認知症の人は7年後には700万人、高齢者の5人に1人が発症すると予測されている。そんな中、認知症医療の第一人者で、昭和49(1974)年に認知症を鑑別する「長谷川式簡易知能評価スケール(長谷川式認知症スケール)」を開発した医師の長谷川和夫さん(89)が昨年、自身が認知症であることを公表した。長谷川さんは今、どんな心境なのか。(加納裕子)

「目線を同じ高さに」

 「今日が何月何日か、日めくりカレンダーで確認しても納得できなくて、何回も確認したのが始まり。自分はアルツハイマー病じゃないかと思ったんだ」

 東京都内で取材に応じた長谷川さんはそう、振り返った。出かけた後、「鍵をかけたかな」となって、家に戻って確認する。その後で、もう一度確認したくなる。さらにもう一度…それを何回も繰り返し始めて、これはおかしいと感じたという。

 昨年11月、病院でCT(コンピュータ断層診断装置)やMRI(磁気共鳴画像診断装置)、心理テストなどをして「嗜銀顆粒(しぎんかりゅう)性認知症」と診断された。認知症は、脳の病変などで記憶や思考などの認知機能が低下し、生活に支障が出る状態の総称。嗜銀顆粒性認知症は、嗜銀顆粒という物質が脳に増えて物忘れなどの症状が出るが、進行が遅いのが特徴だ。

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