どの親も子どもが「つまんない」と言うのを聞くと、これは良くないと思ってしまいます。そういうときにまず思いつくのは、予定をたくさん詰め込んで子どものスケジュールをパンパンにすることかもしれません。が、退屈には退屈の良さがあります。

スタンフォード大学医学部のEmma Seppala氏は米メディアQuartzに、親が子どもに対して「ぼんやり過ごしていてはダメ」とアドバイスするのは良くないと書いており、むしろ子どもが無為の時間を楽しむようにさせることを勧めています。

ヨーロッパ諸国では、多忙であることやワクワクすることに価値を置いていますが、本当は静かで穏やかな精神状態も同じぐらい大切です。東アジアもヨーロッパと同様に積極的な感情に価値を置きます。が、スタンフォード大学の研究では、東アジアでは散歩のようなもっと日常的な活動から感じられる穏やかな感情に、より価値が置かれるとしています。香港の中華系年配者のほうが欧米の年配者より人生に対する満足感が概ね強いことが同研究によりわかっていますが、それはこのようなマインドセットのおかげかもしれません。

CNNの記事では、子どもは興奮するとへとへとになってしまうとされており、その創造性を養うためには自由な時間が大切ともいわれています。人間は心が穏やかであまり集中していないときに名案が浮かぶことを実証する研究もあります。

さらに、ありとあらゆる活動をバランスさせようとすると、ストレスが強くなります。1950年代から子どもたちはどんどん不安を増しているといいます。もっと自由時間をたくさん与えれば、ストレスをうまく管理してリラックスできるかもしれません。音楽のレッスンやスポーツは人生を豊かにするかもしれませんが、子供が何もしないで過ごす時間を作ることも大切です。空に浮かぶ雲を見つめたり、白昼夢を見る時間を与えましょう。

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Image: Yiorgos GR/Shutterstock.com

Source: Quartz, Stanford University, CNN, Northwestern University, APA