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【東京】研究協力者募集 [ うつ体験・インタビュー ]:お茶の水大学

お茶の水女子大学発達臨床心理学コース岩壁研究室

うつの体験の研究—国際研究プロジェクト
研究協力者募集

研究の概要
お茶の水女子大学発達臨床心理学コース岩壁研究室は、国際学会The Society for Psychotherapy Research(心理療法研究学会)の分科会 The Society for Psychotherapy Research Interest Section for Culture and Psychotherapy (SPRISCAP/文化と心理療法の分科会)のメンバーを中心とした国際チームと協力して、「うつの体験」に関する研究を進めております。
世界保健機構 (WHO)によると世界で3億5千万人がうつを煩い、もっとも財政負担が大きな疾病の一つとなっています。日本では、「新型うつ」と呼ばれ、成人若年層にみられる新たな「うつ」が取り上げられていますが、世界的にも注目が集まっています。うつの原因やそれとかかわる要因を検討することに加えて、一人の人間がうつをどのように体験し、それからどのように回復していくのかというプロセスを理解することは、治療について考えるだけでなく、治癒過程について理解する上で極めて重要な課題です。
本研究の目的は、日本、台湾、韓国、アメリカ、チリ、コロンビア、オランダ、オーストラリア、など様々な国の研究者がそれぞれの文化・社会におけるうつの体験に関するデータを集めて、比較することでうつの体験の文化を越えた共通するプロセス、また社会文化的側面についての知見を集めることです。そして、その知見をうつを煩った人とその家族への支援のために役立てることを目指しています。

研究方法と手続き
調査方法は個別のインタビュー調査(60~90分程度)とし、期間は2017年1月~2018年3月頃を予定しています。協力をお願いしたい方は、過去にうつを煩い、回復してから3年以内の成人の方です。症状がなくなっても現在、治療を継続されている方は、医師と研究協力による悪影響が出ないかご確認ください。年齢は、18歳から65歳で男女は問いません。インタビューは、質的研究法ならびにインタビュー調査について訓練を受けている臨床心理士、研究者が実施いたします。インタビューは、協力者のご都合に合わせて対面または電話またはスカイプで行います。
インタビューの主な内容は、①うつになるまでの経過、②うつになってからの状況、③回復・改善プロセス、④うつになる体験から学んだこと、についてです。

プライバシーと情報管理
インタビューの内容は許可を頂いた上で録音し、インタビュー実施者が逐語録を作成いたします。個人が特定されないよう、逐語録は固有名詞を伏せて作成します。そして、逐語録をもとに、質的研究法を用いて共通の意味や主題を抜き出す作業を進めて参ります。分析作業についても、質的研究法について訓練を受けた大学院生および研究者が行います。
記録の管理保管については万全を期し、インタビュー内容と研究参加者の個人情報とが関連づけられないよう、同意書・逐語録・録音媒体は、それぞれ別に保管・管理の上、一定期間を過ぎた後に廃棄いたします。インタビュー調査実施者ならびに研究者も、研究参加者の個人情報については他に漏れることの無いよう、守秘・管理を万全に行います。本研究は、国立大学法人お茶の水女子大学人文社会科学研究の倫理審査委員会に承認をうけています (2016-144)。

研究参加の取りやめ
なお、研究実施前でも、研究終了後でも、またインタビュー実施中でも、本研究への参加取り止めはいつでも可能です。また、研究参加取りやめから一切の義務や責任があなたに生じることはございません。ご希望される場合、研究者にご連絡ください。

研究協力によって生じうる不利益
研究倫理の第一原則は、「害を与えない」ことです。私たち研究者は、協力者の方々に不利益が生じないように最善を尽くします。もし、なんらかの苦痛や不快感が起こるとすれば以下の2つが考えられます。まず、本研究に参加し、自らのうつ体験を語ることでその当時の辛さや不快な感情がよみがえってくることがあるかもしれません。インタビューでは、そのような感情に圧倒されないように注意を向けていきます。次に、個人的な体験をお話されるために、その秘密が守られるのか心配になることがあるかもしれません。データはすべて匿名で扱われ、その保管に関して十分に注意を向けます。もし、何らかの不安や不利益を感じられましたら、研究者へご連絡ください。すぐに対応いたします。

研究協力の社会的貢献と協力者にとっての利点
インタビューにおいてうつの体験について振り返ることは、気持ちを整理し、様々な出来事のつながりや因果関係について理解を深めるきっかけになることがあります。良い聴き手としての訓練を受けたインタビューアーとの対話からそれまで見落としていたきっかけ、自分の特徴などを見つけるなどといった利点も体験できることもあります。また、自分の苦しんだ体験が他の人たちのために役立つという社会貢献を実感し、自分自身の体験に今まで以上により大きな社会的意義を見いだすことができることもあります。協力者の方のご意見は、私たち研究者にとってとても貴重です。

結果の発表と研究協力の謝礼
調査結果は、主に国内外の臨床心理学関連の学会また学会誌に発表予定です。結果を報告する論文、報告書、および専門書において、逐語録の内容の一部を抜粋する場合には、個人が特定される情報は削除され、問題の本質のみが維持される形で記述いたします。
インタビューにご協力いただいた方には、心ばかりではございますが、1回のインタビューにつき3,000円の謝礼をさせていただきます。
ご多忙中の折、恐縮ではございますがインタビュー調査にご協力をいただきたく、お願い申し上げます。尚、調査についてのご質問やご意見などございましたら遠慮なくご連絡下さいますようお願い申し上げます。

敬具

2017年1月6日
研究者代表
岩壁 茂(お茶の水女子大学 基幹研究院 人間発達系 准教授)

〒112-8610 東京都文京区大塚2-1-1
お茶の水女子大学 基幹研究院 人間発達系 准教授
岩壁 茂
研究室(大学本館3階333)
電話 03-5978-5780(研究室直通)
Fax 03-5978-5777
e-mail: iwakabe.shigeru(アットマーク)ocha.ac.jp

編集部