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働く人の「心の健康」が大切なの?
不調で休業や退職も
働く人の
「心の健康」が
大切なの?
Q 働く人の「メンタルヘルス対策」が大切と聞いたわ。
A メンタルは「心の」、ヘルスは「健康」という意味だよ。会社にとって、働く人の体の健康も大事だけど、心の健康管理も同じように重要なんだ。「食欲がない」とか「よく眠れない」という状態が続いたら、ふだん通り仕事を頑張れないよね。職場の人間関係に悩んだり、仕事上でつらい経験が重なったりして、会社に行けない心の状態になってしまう場合もある。本人はとてもつらいし、戦力ダウンだから、いいことはないよね。
Q どれぐらい?
A 厚生労働省の労働安全衛生調査によると、2015年10月末までの1年間に、心の不調で連続1か月以上仕事を休んだ人は働く人全体の0・4%、退職した人は0・2%。1000人ぐらいの会社だと、1年間に数人は心の不調が原因で長期休業したり、辞めたりしている計算になるんだ。
Q 原因は?
A いろいろあるけど、例えば、最近問題になっている「長時間労働」も原因の一つだね。毎日、たくさん残業して真夜中に家に帰り、翌朝また出勤する生活が続いたら、睡眠不足で疲れも取れないね。
必要以上に上司に失敗を怒られたり、とてもこなせないほど多くの仕事を押しつけられたり、といったパワーハラスメント(パワハラ)も危険だ。厚労省の昨年の調査では、会社で働く人のほぼ3人に1人が「過去3年間にパワハラを受けた」と答えている。
Q 心の健康状態は、どのように調べるの?
A 15年12月から、多くの会社で年1回の「ストレスチェック」が義務付けられた。働く人の心理的な負担を調べるために医師などが行う検査だ。「時間内に仕事が処理しきれない」「上司と気軽に話ができる」といった項目に回答して、ストレスの原因や程度を判定する。自分の状態を知ることで、医師の面接を受けて助言をもらうきっかけにしてもらったり、職場環境を見直すきっかけにしたりする。働く人の心の不調を未然に防ぐための仕組みと言えるよ。(滝沢康弘)
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