脳を知る

ローズマリー、アルツハイマー病抑制に働く

ハーブの一つのローズマリーの成分が、アルツハイマー治療に期待されている
ハーブの一つのローズマリーの成分が、アルツハイマー治療に期待されている

 寒い日が続いておりますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか? 

 冬場はうつ病になりやすいとも言われています。冬季のみ発症する「冬季うつ病」という病態も知られています。寒くて日没も早いと気分が落ち込みやすくなるのかもしれませんね。

 初期の場合、うつ病と認知症の区別が難しいことがあります。私も認知症と思って治療開始した患者さんが実はうつ病だったことがあります。またその逆でうつ病と思われていた患者さんが認知症であることも珍しくはありません。もちろん両者の合併例もありますので診断治療に苦労することも多いです。

 どちらであっても薬物による治療を行うわけですが、普段の日常生活環境を整えてストレスがたまらないようにすることも非常に大切です。リラックス効果が知られているハーブに新たな機能が発見されたという報告がありましたので、それを今回はご紹介します。

 東京工科大学のグループがハーブの一つであるローズマリーがアルツハイマー病抑制に働くことを突き止め、その内容が科学誌に掲載されました。アルツハイマー病の原因は脳に蓄積するベータアミロイドと呼ばれるタンパク質といわれています。ローズマリーに含まれる「テルペノイド-カルノシン酸」という成分がそのタンパク質を抑制するそうです。現在臨床で用いられている薬剤にはこの効能はなく、新たなアルツハイマー治療の可能性として期待されます。

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