産後うつに対する心理療法の研究
イギリスの研究班が、産後うつの心理療法について、2000年から2014年に報告されている研究論文の調査を行いました。
調査対象として5,919件の論文を集め、内容を確かめて、基準を満たしたものの結果をまとめました。
どの心理療法にも効果あり
基準を満たす10件の研究が見つかりました。認知行動療法、対人関係療法、カウンセリング、その他の方法が試されていました。
効果について次の結果が得られました。
心理療法により、うつ症状の程度は対照群と比べて治療直後で軽くなり(標準化平均差-0.38、95%信頼区間-0.49から-0.27)、フォローアップ6か月時点でも軽くなった(標準化平均差-0.21、95%信頼区間-0.37から-0.05)。治療のタイプによって有意差は見られなかった。
心理療法によって、治療直後と、治療を終えて6か月後に、うつ症状の様子が軽くなる効果が見られていました。心理療法の間で方法による効果の違いは見られませんでした。
まとめ
産後うつに対して心理療法の効果を示すデータが見つかりました。今後の研究ではさらに効果を高める方法などが見つかれば、より安心して出産を迎えられるようになるかもしれません。
執筆者
Effectiveness of Psychological Interventions for Postnatal Depression in Primary Care: A Meta-Analysis.
Ann Fam Med. 2016 Sep.
[PMID: 27621164]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。