今の世の中、あらゆる分野に対してのアプリがありますが、残念ながら掲載されている情報を鵜呑みにしてはいけないようなアプリも存在します。
増え続けるメンタルヘルス系アプリの実態についてNature誌が調べたところ、根拠が不十分だったり信頼性に欠けたりするアプリが多く、また同カテゴリの規制自体があやふやだということも明らかになったのです。
誤った情報をふくむメンタルヘルス系アプリをダウンロードすることが、いかに危険かということも同記事では取り上げています。例えば双極性障害のためのアプリには、「より良い睡眠をとるために度数の高いアルコールを飲め」あるいは「疾患は感染する」など、状況が悪化しかねないデタラメを言うものがありました。とても恐ろしいことですよね。さらに、英国の国営保健サービスのような公的な保健機関が認めたアプリを研究者たちが分析したところ、その半数以上が安全とは思えないアプリだと判明しました。それだけでなく、その多くが暗号化されていない個人情報を送信していたということも明らかになったのです。
Nature誌いわく、科学的に正確なアプリを作ることは非常に難しいんだとか。その理由の一つとして、デタラメを掲載した競合アプリと比べて、正しい情報を掲載したアプリがあまり魅力的ではないという点があります。さらに正確なアプリの開発には、より多くの時間がかかるので、リリースする準備ができた頃にはデザインが時代遅れになっているなんてことも…。
メンタルヘルス系アプリの多くがゴミといえますが、なかには素晴らしいアプリも存在します。不眠症などの睡眠障害を改善するアプリの「Sleepio」や、アメリカ合衆国の退役軍人省がトラウマに悩む退役軍人たちを助けるために作った「PTSD Coach」などが良い例です。
メンタルヘルス系のアプリを使っているのであれば、自身の健康のためにも誰がそのアプリを開発したのか、そしてどこから情報を引用しているのかといったことをダブルチェックしましょう。
Illustration Tara Jacoby
source: Nature
Darren Orf - Gizmodo US[原文]
(たもり)