ネパール大地震

「支援はこれからが本番」 日赤先遣隊の医師が帰国

【ネパール大地震】「支援はこれからが本番」 日赤先遣隊の医師が帰国
【ネパール大地震】「支援はこれからが本番」 日赤先遣隊の医師が帰国
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 大地震の起きたネパールで、震災4日後から日本赤十字社先遣隊として医療活動を行ってきた大阪赤十字病院の光森健二医師(51)が帰国し、11日に都内で報告会を行った。被災地は集落が点在する山間部に広がり、光森医師は「診療所と患者の住居に距離があり、治療に通えない患者も多い。医療が届いていない地域もあり、支援はこれからが本番だ」と継続的な支援の必要性を訴えた。

 先遣隊は地震翌日の4月26日に光森医師と看護師、事務員からなる計4人で結成。ネパール保健省の要請を受け、カトマンズの北東約30キロにあるシンデュルパルチョーク郡メラムチ村の公立診療所に派遣された。現地の医師が患者を診察し、光森医師らは手術や検査が必要な重傷者を担当した。

 患者は最大で1日200人超。地震直後は倒壊した家屋の下敷きになり、「骨が折れたり肉がそげたりしている患者が多かった。麻酔をかけ傷んだ組織を切り取る手術をした」という。重傷者はヘリで首都の病院へ搬送したが、医療費や交通手段への不安から拒む患者もいた。日がたつにつれ、地震に伴いけがを負った患者は減ったが「手袋や丈夫な靴がないため、片付け作業中に指を挟んだりくぎを踏んだりしてけがをする患者が増えた」という。

 日赤は医療支援を約3カ月間継続する予定。感染症が流行しやすい雨期に入るため、今後は衛生管理などの指導も行うほか、精神的なケアを必要とする被災者に対応するため臨床心理士も支援に当たっている。

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