Inc.:人の上に立つ役割を担っていると、本来の自分ではない、二重人格のような状態を続けなければならないことがあります。孤立して仕事を効率的にこなすだけでなく、毎日数十人と対話しなければなりません。

性格には「外向的」と「内向的」の2つがあり、どちらかと一体化していることがほとんど。ケンブリッジ大学の社会心理学博士Sanna Balsari-Palsuleさんと、ケンブリッジ大学の心理学者Brian Littleさんの新しい共同研究では、仕事で「(本来とは)異なった性格」に自分を合わせることの効能について注目しています。

外向的だと、仕事で「偽りの自分」を演じることで良くない影響が出やすい

仕事で、普段の自分がとらないような行動をあまりにも長い時間考えていると、ストレスを感じたり疲弊したりするケースが多いことを、前段階の研究後にBalsari-Palsule博士は発見しました。また、外向的な人の方が、仕事で偽りの自分を演じることで良くない影響が出やすいのです。

Balsari-Palsule博士は、マーケティング会社の社員300人に、性格診断テストを受けてもらい、アンケートに答えてもらいました。「the Science of Us」によると、この情報は被験者の仕事の評価と並行して分析されました。

Balsari-Palsule博士は、「外向的な人は同僚よりも早く昇進する傾向にあること」を発見しました。また、普段は内向的な人が、仕事で外向的な行動をしていると、元々外向的な人と同じような好評価を受けることもわかりました。しかし、内向的な人は、仕事で多少外向的に振る舞ったところで、そこまでストレスを感じていませんでした。

また、外向的な人が自分の個性を抑えなければならないと感じていると、最終的に疲弊してしまうこともわかりました。Balsari-Palsule博士は、自己を抑え込んでいる人は、自分を檻の中の動物のように感じていると「Phys.org」に語っています。

いかに「息抜きをするか」も肝心

内向的な人が自分の性格を偽っていても影響が少ないのは、外向的な性格でいることに疲れた時に、仕事中に一人になる時間が十分にあるからだと思われます。しかし、外向的な人が、1日の大半を大人しく過ごさなければならないような、共同作業をしない仕事をしていたら、息抜きをする機会はあまりありません。

Balsari-Palsule博士は次の研究では、競争の激しい環境で仕事をしている人が、職場で自分の性格を偽ることの効能について調査しようとしています。

Study: Introverts Are More Adaptable at Work|Inc.

Laura Montini(訳:的野裕子)

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