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発症早期のための専門疾病センターを開設 NCNP「統合失調症早期診断・治療センター」

独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP/東京都小平市 総長: 樋口輝彦)は、統合失調症を発症してまもない患者さんに十分な対応を行うこと、また研究所と病院が協力して統合失調症の適切な治療法の開発に取り組むことを目的として専門疾病センター「統合失調症早期診断・治療センター」を開設いたしました。統合失調症は精神科を代表する慢性疾患であり、多くは20代に発症し、慢性の経過をたどります。また、治療中断によって症状が再燃することも多く、また完全寛解まで到達する率が低いといったことは大きな社会的損失ともなっています。一方で統合失調症は発症から受診にいたるまでの「精神病未治療期間」が短いほど、その後の予後が良好であることが指摘されており、また最初の治療内容は、治療アドヒアランスといわれる、患者自身の治療への積極的な関わり方に大きく影響することがわかってきました。そこでNCNPでは、2013年12月に「統合失調症早期診断・治療センター」を開設すると同時に、「発症早期の治療」に焦点を当てた専門外来をオープンしました。本専門外来では、精神病発症後およそ2年以内の方を対象として時間をかけた面接を行い、希望によって認知機能、血液、画像、生理学的検査など多角的な評価を行います。また、統合失調症と診断された場合は、初期治療と並行して疾患教育を柱とした心理教育を行っていきます。このような治療と教育について、患者さんと専門の治療チームが必要な情報を共有しながら、話し合いつつ、最終的な治療方針を決定していきます。このような患者さんと病院、そして患者家族など支援者との連携をよりスムーズに進めるため、統合失調症早期の患者さんのための「患者手帳」を新たに開発いたしました。本患者手帳には、治療記録はもちろんのこと、治療で使用する薬の紹介や、セルフモニタリングの方法、幻覚や妄想などの症状が起きた場合の対処法などが紹介されており、患者本人が随時メモを書き込める形式となっています。2014.2.6  NCNP

参考リンク
統合失調症早期診断・治療センター

編集部