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「アパシー」と「うつ」 その整理 収集癖とゴミ屋敷 精神科医 笠間睦 先生

「気分障害である『うつ』においては、抑うつ気分・不快感、希望のなさ、罪業感、自責感、希死念慮といった感情面の症状が存在し『感情の平板化』はなく、意欲・活動性の低下を本人が苦痛に感じていることが多い。一方で、アパシーは自発性・意欲の低下、周囲への無関心・無頓着を示し、自発性の減退を苦しまない様子、自発性の低下に関心のない様子がみられる。」(池田 学:認知症の症候学─概論. 日本臨牀 Vol.69 Suppl8 291-296 2011)

「アルツハイマー型認知症(Alzheimer’s disease;AD)の治療薬であるコリンエステラーゼ阻害薬の服用によって、意欲の低下が改善すると、本人は家事や仕事を手伝おうとしたりする。しかし、以前のように家事や仕事をこなせるわけではない。したがって、意欲は高まったものの失敗の頻度が増えるという事態が生じる。このときの後始末は家族や介護者がすることになるため、結果的に家族の介護負担が増えてしまう。そのため、家族は本人の行動を止めざるを得ないこともある。こうしたことが繰り返され、『あれもしてはいけない』『これもしてはいけない』などと制止され続ければ、本人は不満に思うに違いない。また、失敗が増えたことを非難されたり怒られたりすれば、さらに精神的に追い込まれるだろう。以前よりも失敗が増えたことに対して、自分を責める人もいるだろう。こうしたことから精神的に不安定になり、BPSDに結びつくことがある。結果、周囲からはコリンエステラーゼ阻害薬が原因でBPSDが出現したようにみえるのである。」
2014.2.5  apital

編集部