Categories: ニュース

病棟に置いたチョコレートの生存期間中央値は51分

病棟にチョコレートを置いたら、どうなるかという研究。 毎年BMJ(British Medical Journal)の最終号(クリスマス号)はジョークを交えた原著論文が掲載されるという。

目的:
病棟環境におけるチョコレートの消費量を定量化すること。

デザイン:
多施設共同プロスペクティブ観察研究。

研究場所:
著者らが勤務するイギリス3病院における4病棟。

研究参加:
病棟におけるネスレのQuality Street チョコレート 、キャドバリーのRosesチョコレート、およびそれらを食べた誰か。

介入:
観察者は2つの350gボックスチョコレートをそれぞれの病棟に置いた(合計8ボックス、258個)。これらの箱は持続的に観察下におかれ、それぞれのチョコレートが食べられた時の時間を記録した。

結果:
チョコレート258個中191個が食べられた。平均観察期間は254分(95%信頼区間179~329分)であった。チョコレートの生存期間中央値は51分(95%信頼区間39~63分)だった。チョコレート消費モデルは非線形であり、初期に急速に消費された後、消費スピードは緩やかになった。指数関数的減衰モデルがこれらの結果に最も合致した。50%のチョコレートが食べられる時間(半減期)は99分だった。また、チョコレートの箱が病棟で開けられるまでの平均時間は12分(95%信頼区間0~24分)だった。Quality StreetチョコレートはRosesチョコレートよりも長期に生存した(ハザード比0.70, 95%信頼区間0.53 to 0.93, P=0.014)。最も高い頻度で摂取した医療従事者は、ヘルスケアアシスタント(28%)、看護師(28%)であり、医師は15%だった。

結論:
この観察研究によって、病棟におけるチョコレートの生存期間が比較的短く、また指数関数的減衰の生存曲線を描くことがわかった。RosesチョコレートはQuality Streetチョコレートよりも人気があった。ヘルスケアアシスタントと看護師によって消費されることが多く、医師がそれに次いだ。さらなる研究が望まれる。

2013.12.16 個人ブログ

編集部