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太り過ぎだけじゃない、痩せ過ぎも生活習慣病のリスク 日本人女性と子供に迫る危険

痩せ過ぎ女性の比率は発展途上国並みの日本
細身の女性を魅力的と感じる人、ぽっちゃりの女性を魅力的と感じる人、人それぞれ好みがあるだろう。しかし、日本人の思い描く“ぽっちゃり”は欧米諸国など他の先進国と比べると、標準か痩せ気味であること、日本は他の先進国と比べ痩せ過ぎの若い女性が多いことをご存じだろうか。多くの場合、痩せ過ぎとはBMI18.5未満のことを指すが、これはどれくらい痩せているのだろうか。例えば、BMI18は、身長160センチで体重46.1キロである。総体的に見ると、食糧事情などの理由から、所得(1人当たりのGDP=国内総生産)の低い貧困国では痩せ過ぎの女性が多いという統計がある。WHO(世界保健機構)の「Global Database on Body Mass Index」によると、BMI18.5未満の女性が全体の30%以上を占める国は東ティモール、エリトリア、インド、パキスタン。続いて、20%以上の国もバングラデシュ、ベトナムなどの発展途上国において痩せ過ぎ女性が多い。
英国サウハンプトン大学のデビッド・バーカー教授らの長年にわたる研究によると、胎児期の母親の栄養不足すなわち胎児期の低栄養は、成人してからの生活習慣病リスクを高めるという。妊娠期の過度なダイエットと未熟児の増加の関係性について触れたが、低体重で産まれた赤ちゃんは成人になってから、冠状動脈性心臓病、高血圧、2型糖尿病になるリスクが高いという。また、そのメカニズムに肥満関連遺伝子の活性化が関係するのではないか、という考えも示されている。人間は食べ物を全く食べなかったり、量が不十分であったりする期間が一定以上あると、脳が飢餓状態であると考え、次に摂取した食べ物を体に溜め込もうとする。そして、少しの栄養やカロリーでも脂肪として蓄えるようになる。極度の栄養不足で生まれてきた赤ちゃんは、胎児期に活性化された肥満関連遺伝子の働きによって、通常の人と同じカロリーを摂取したとしても、脂肪を蓄えやすく生活習慣病を発症するリスクが高くなるというわけだ。つまり、「母体の栄養摂取不良に起因する胎生期の低栄養環境が、胎児体内に生活習慣病の源を形成する」と考えられるのである。2013.11.29  JB PRESS

編集部