学振(DC1/DC2)採用者の所属大学の分布(人文学、2007-2013)

日本学術振興会特別研究員という制度がある。知らない方のために、どういう制度かというのをコピペしてくると、特別研究員制度は、我が国トップクラスの優れた若手研究者に対して、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与え、研究者の養成・確保を図る制度です。というように、要は、優秀な「研究者の卵」(博士後期課程以上)にお金をあげますよという制度である。業績ベースの奨学金みたいなものである。ただ、事実上「ローン(借金)」である旧育英会の「奨学金」とはちがい、完全に「給与」として支給されるため、旧育英会「奨学金」とは比較にならないほど、狭き門である(DC1では毎年、全国のあらゆる分野の院生のなかから数百人程度)。そのため、わりときびしい(とされる)選抜があり、「優秀」な人しか受からない(とされる)。支給額はけっこう高額で、大卒・初任給くらいはもらえる。その点で、「優秀」な学生をかなり優遇した制度である。ここでは、博士課程1年次からお金がもらえる「DC1」と2年時以降からお金がもらえる「DC2」に注目して、その大学別の分布状況を見たい。なぜこういうことをするかというと、DC1/DC2の採用状況は、当該大学院の「研究志向性」「研究環境」のよい代理指標だと思うからだ。というのも、DC1/DC2を取得するには、

  1. 同制度の存在を知っていること
  2. 同制度を利用可能になる博士後期課程までのビジョンがあらかじめ修士課程の早い段階で描けていること
  3. 同制度に応募するにあたって、指導教官・先輩・同期などからアドバイスを受けられること
  4. 修士の段階で、すでに学会で発表していたり学術論文を書いていたりという業績があること*1

という条件が重要になる。これらの条件は、大学院の先輩が「研究者」としてのロールモデルを果たしている、指導教官が適切な指導をしている(つまり放置していない)、先輩が後輩にアドバイスをするという「風土」がある(研究者の「ヒドゥンカリキュラム」)、場合によっては指導教官が研究プロジェクトチームの(末端の)共同研究者として修士課程の学生も組み込んでいる、などといったことを意味する。その点で、その大学院がどれだけ研究志向性が強いかということの、わりと良い代理指標だと思う(もちろん、例外的な場合として、とびぬけた「天才」が、上記の条件がなくても、採用される可能性はある)。2013.10.20 こにしき


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