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生活苦にさらされる米大学の非常勤教員

米国の大学では、安い給料で使われる非常勤教員が大きな戦力となっている。全教員のうち、非常勤が占める割合は49.3%。終身在職権を得られない教員も19%に達する。非常勤教授は米国における「ワーキングプア」の一因だ。雇用形態は不安定で、生前のボイトコさんのように貧困ゆえに生活が医療費に圧迫される可能性もある。大学で教鞭をとるに足る能力があるのに、なぜ大学は福利厚生面などで相応の処遇をしないのだろうか。・・・問題は教員個人のレベルではない。大学教員の多くを低賃金で従事させる労働環境の構造に対して、集団的に対処することが必要だ。・・・問題は「我々は労働者をどう扱うのか」ということだ。世界で最も裕福な国にいながら、社会の大部分の人々を貧困のふちに追いやるような雇用環境を許容し続けるのか。それとも、労働者全員に報いるために人々の意思を束ねていくのか。・・・非常勤の教員たちの間からは、現状打破に向けた動きが始まっている。待遇改善を求める団体に加わる人もいるし、全米各地の大学では非常勤教員の組合を結成する動きも出ている。各種手当や生活するに足る給料といった労働条件の向上は、学生や大学にとっても利益になるというのが非常勤教員たちの主張だ。2013.10.11 CNN

編集部