慶應義塾大学理工学部生命情報学科の大学院生田中大輝(研究当時、2019年理工学研究科修士課程修了)と地村弘二准教授は、高知工科大学の中原潔教授、竹田真己特任教授、青木隆太助教(研究当時)、メルボルン大学の鈴木真介准教授との共同研究で、ヒト脳の前頭前野が経験したことのない未来の好ましい出来事の期待に関連しており、その機構は、自身の経験に基づいて自制心の強い意思決定を形成する個人ほど増強されていることを発見しました。今回の結果は、未経験で不確実な状況では、将来を期待することにより長期的に最適な行動を選択できることを示唆しています。そして、未来の期待に関連する前頭前野の機構が、薬物・アルコール依存症などの精神病理と関わっていることを示唆しています。この研究は米国神経科学学会(Society for Neuroscience)が発行するThe Journal of Neuroscienceの速報版で11月13日発表されました。